尋問でのニコラス・ゼペダ

尋問でのニコラス・ゼペダ 元恋人だった日本人女性の殺人罪に対する33歳のチリ人男性の公判が最終週に入る 12月18日に、ニコラス・ゼペダが自らの訴訟を控訴するつもりだったことの意味を知っておいた方がよいだろう。彼は、日本人の元恋人 クロサキ・ナルミ…

イスラエル-パレスチナ: 行き詰まりの終焉

イスラエル-パレスチナ: 行き詰まりの終焉 ガザ地域の帯状地域で行われているハマスのテロリズム作戦とイスラエルによる反撃の残虐さは、イスラエル-パレスチナの衝突に対する政治的な解決策、および建設的な進展の促進のために諸外国が演じうる役割に再び疑…

ゴンクール賞受賞はJean-Baptiste Andrea

Jean-Baptiste Andreaに授与されたゴンクール賞 小説家で映画監督、脚本家でもある彼は、すでにFnac小説賞を受賞しているその第4作となる小説『Veiller sur elle 』で選ばれた。 2023年のゴンクール賞はJean-Baptiste Andreaの『Veiller sur elle』(L’Iconoc…

公衆衛生学的リスク

公衆衛生学的(疫学的)リスク 広く使用されている除草剤への曝露に関連した神経障害のリスク上昇を示す研究が発表された 科学出版のスケジュールというのはちょっと面白い。欧州委員会が、グリフォサート(国内名称:グリホサート)の10年間の追加認定の提案を準…

アフリカで相次ぐクーデターに意図せず巻き込まれた中国

アフリカで相次ぐクーデターに意図せず巻き込まれた中国 アフリカ大陸での政治不安は、中国政府によって「新シルクロード」構想の一環として推し進められた投資のリスクを高めた。 中国にとって、アフリカ諸国のクーデターには良い面と悪い面とがある。良い…

戦時下のクルコフ

『JOURNAL D’UNE INVASION』 ANDREÏ KOURKOV著 英語原著からJOHANN BIHR訳 NOIR SUR BLANC出版 260 P, 23ユーロ l’Obs誌セレクション チェチェン共和国の厄介な首長Ramzan Kadyrovが、グロズニー総合病院の落成式で歯科医の勲章を得ていることをご存じだろう…

グロスマン、ウクライナ人

l'Obs誌セレクション 『SOUVENIRS ET CORRESPONDANCE 』(*回想と書簡) VASSILI GROSSMAN著 ロシア語原著からのLUBA JURGENSON訳 CALMANN-LÉVY出版 378 P, 23,90 ユーロ ★★★★ Vassili Grossmanが見たスターリングラードの戦いである。「ここでは、この戦争を…

水と夢想

l’Obs誌セレクション 『LA FURIEUSE』 MICHÈLE LESBRE著 SABINE WESPIESER出版 152 P, 17 ユーロ ★★★☆ Claude Sautet の最後の映画『Nelly et Monsieur Arnaud』(*邦題:とまどい)で、自分が口述した自伝のページをEmmanuelle Béartが入力してくれたモニター…

あるフランス人の青年期

l’Obs誌セレクション 『LA LUMIÈRE, L’ENCRE ET L’USURE DU MOBILIER』 (*明かり、インクといい感じの家具のくたびれ具合 (?)) EMMANUEL VENET著 GALLIMARD出版、160 P, 17 ユーロ ★★★☆ ヨブとツヴァイク、プルーストとランボー、空中浮遊データと自己性、…

銃を憎むオースター

l’Obs誌セレクション 『PAYS DE SANG』 (*血の国家) ポール・オースター著 英語原著からAnne-Laure Tissut 訳 ACTES SUD出版 208 P, 26ユーロ ★★★☆「アメリカ合衆国を西側世界で最も暴力的な国家にしてしまったのは誰なのか」、『ムーンパレス』の作者は、と…

横暴な母親

l’Obs誌セレクション 『L’ÂGE DE DÉTRUIRE』(*破壊の年齢) Pauline Peyrade著 MINUIT出版 160p, 16ユーロ ★★★★ このような暴力を描いているのに、これほどの優美さ。こんな根深い苦悩を描くのにこれほどまでに繊細な表現。Pauline Payradeには4本の戯曲があ…

ソドムとグラスゴー

l’Obs誌セレクション 『MUNGO』 Douglas Stuart著 英語原著からChrles Bonnot訳 GLOBE出版 480p 24 Euros ★★★★2020年にPicador出版から刊行されるまで44の出版社から断られた彼の処女小説『Shuggie Bain』で、彼はセンセーションを巻き起こした。サッチャー…

ジャック医師とファム=トラン女史

l’Obs誌セレクション 『DE RAGE ET DE LUMIÈRE 』(*情熱と光) Jeanne Pham Tran著 Mercure de France出版、216p, 19,5ユーロ ★★★☆ これはJeanne Pham Tranの挑戦である。もしも無口な医師Jack Pregerを語らせることができたなら、その時彼女の母親は回復する…

並外れた友人たち

l’Obs誌セレクション 『DEUX VIES』(*二つの人生) Emmanuele Trevi著 イタリア語原著からのNathalie Bauer訳 Phippe Rey出版 160p, 17ユーロ ★★★☆ロッコは気難しくはなかった。ロバのような頑固者である。うんざりさせるやつである。Emanuele Treviは1980年…

ドネ vs ドーデ

l’Obs誌セレクション CE QUE FAISAIT MA GRAND-MÈRE À MOITIÉ NUE SUR LE BUREAU DU GÉNÉRAL (*うちの祖母が将軍のオフィスで半裸でやったこと) CHRISTOPHE DONNER著 GRASSET出版, 304P, 22ユーロ ★★★★ 『la France goy』(2021)の注目すべきかつおぞましい50…

Lindon、父と子

l’Obs誌の1冊 『UNE ARCHIVE』Mathieu Lindon 著 P.O.L.出版 240P 19ユーロ ★★★☆ Mathieu Lindonは、彼の父親について書くことを遅らせていたわけではなく、機が熟するのを待っっていたのだ。時はまさに鐘を打ったばかりだ。ジェローム・ランドンの死去から2…

アニー・エルノーと人生を変えた本:「『嘔吐』は何かムカムカしそうなものかと思いました」

アニー・エルノーと人生を変えた本:「『嘔吐』は何かムカムカしそうなものかと思いました」 2018年に、『l’Obs誌』はいろいろな人物や読者たちに「人生を変えた」本について語っていただきました。アニー・エルノーが先日ノーベル文学賞を受賞しましたが、当…

映画監督ジャン=リュック・ゴダール、映画界の聖なる怪物が死んだ

映画監督ジャン=リュック・ゴダール、映画界の聖なる怪物が死んだ このフランス系スイス人のシネアストで、『勝手にしやがれ』や『軽蔑』の作者は、91歳だった。 およそ20年ほど前に『映画史』の公開にあたって、Les inrocks誌は面白がってその表紙の彼の名…

2022年国民議会選挙: 第一次投票の1週間ばかりで、マクロンの政党内に不安が高まった

2022年国民議会選挙: 第一次投票の1週間ばかりで、マクロンの政党内に不安が高まった 「共和国前進」の候補者たちは霧が立ち込めた中にいるように訳がわからず、メランションが首相府にやってくるかもしれないという懸念を利用したり、投票現場の風潮が自分…

マクロンによれば、首相官邸に入る人物は、右翼を不安にさせることなく左翼を丸め込めるだろう

人物像 度を越した「テクノクラート」、あまり「政治的」ではなく、「冷酷」すぎる。長い間、首相官邸に入る本命の1人とされてきたエリザベト・ボルヌは、4月24日にエマニュエル・マクロンが再選されてから、こういうあからさまな噂の状況の中で、週を追うご…

ウラジミル・プーチンは二重におかしくなっていった

ウラジミル・プーチンは二重におかしくなっていった ジェローム・フェノリオ (ル・モンド社 社長) 正面きった戦争がヨーロッパに戻ってきている。2月24日未明、ロシア軍によってウクライナ領内の複数の地点に引き起こされた攻撃が、私たちの大陸では第二次大…

「凄まじかった」とトンガ諸島で住民たちが証言する

「凄まじかった」とトンガ諸島で住民たちが証言する 政府当局によれば、85%の住民が1月15日に火山の噴火と続く津波による被害を受けた。 彼らの声を聞くまでに、時には彼らの電話番号を10回以上叩かなければならない。ブツブツと切れる、もごもごとした遠い…

オミクロン株は世界で最も使用されているいくつかのCOVIDワクチンの裏をかいている

オミクロン株は世界で最も使用されているいくつかのCOVIDワクチンの裏をかいている 不活化ウイルスワクチンは、感染をブロックする抗体を、あったとしてもほとんど引き出さないが、しかしそれでも病態の重症化には防止効果があるかもしれない。 世界で最も広…

「なんか妙な」オミクロンはどこからきたのか

「なんか妙な」オミクロンはどこからきたのか 複数の突然変異は、慢性的な感染患者、見過ごされているヒト個体群、もしくは動物の保有宿主のなかで累積した可能性がある 南アフリカの科学者たちが先週SARS-CoV-2の人騒がせな新規変異株を同定して以来、世界…

イングランドにおける懸念されるSARS-CoV-2変異株および調査中の変異株の専門的概要書

UK Health Security Agency イングランドにおける懸念されるSARS-CoV-2変異株および調査中の変異株の専門的概要書: オミクロン株VOC-21NOV-01(B1.1.529)に対する入院リスクおよびワクチン効果に関する更新事項 要約 この報告は、オミクロン株のリスク評価に…

オミクロン株感染症の重症度は?

オミクロン株感染症の重症度は? 症例が拡大し各国が対応するにあたって、研究者たちはこのコロナウイルス変異株が引き起こす病態の重症度について確定的なデータを待っている。 南アフリカで突然変異のあるコロナウイルス変異株が発見されたとの報告があっ…

ペン・シューアイ: IOCはあらためてこの選手と会見したと主張し、自らのアプローチを弁護した

ペン・シューアイ: IOCはあらためてこの選手と会見したと主張し、自らのアプローチを弁護した このオリンピック機関は、ペン・シューアイの発言を封じるため中国当局と「結託している(complicité)」と責められている。彼女は、性的侵害で中国の前首相チャン…

性的侵害で起訴され、ニコラ・ユロは永久に政界を離れる

性的侵害で起訴され、ニコラ・ユロは永久に政界を離れる 「今回の汚点から私の財団を守るために、私はその名誉会長を辞めます」。「性的侵害と強姦」、彼によれば「全くの嘘の告発」で彼を告発している女性たちに発言を許しているテレビ・ドキュメンタリーが…

最初のひと口 ボジョレーはルヌーヴォー

最初のひと口 ボジョレーはルヌーヴォー 長い間フランス人に敬遠されたボージョレー・ヌーヴォーは良い果汁を使用してふたたびお気に入りとなっている。 しかし、選択には注意 ボージョレ・ヌーヴォーの話になると、会話の中でも突然あの有名なバナナの風味…

モハメド・ブガール・サール、滑稽で知的なゴンクール受賞作

モハメド・ブガール・サール、滑稽で知的なゴンクール受賞作 ゴンクール賞は『La Plus Secrète Mémoire des hommes』の作者に授与された レストランChez Drouantにおける奪い合いの世界(たとえ感染予防対策を尊重していても)に戻ってきた。2020年にはリモー…