第六共和制を6つの原則で

フォーカス:  3月18日、ジャン=リュック・メランションは自らの名において数万人の人々をデモに集めた。第六共和制は、同様にブノワ・アモン候補も呼びかけているものだが、フランス政治体制における大統領集権化の終焉と、参加型民主主義の施行を告げている。以下が、これを理解するための6つの鍵である。

「3月18日、第六共和制のための行進」。 それを主張しているのは、La France insoumiseのジャン=リュック・メランション候補だけではない。社会党のブノワ・アモン候補の政治綱領にも、第六共和制はその形を変えて記載されている。その概念は最近始まったものではなく、前大臣アルノー・モントブールは、すでに2001年から「第六共和制の合意」(C6R)を作っている。もはやそれは左翼に固有のものではなく、2007年にはMoDemの総裁フランソワ・バイルもこれを提唱している。しかし、第六共和制とは何であろう。それぞれの人物が、私たちの現行のシステムに置き換わることとなるそれぞれの固有の展望を主張してはいるが、いくつか共通の原則がある。

1. 大統領府の象牙の塔を終わらせる。政治体系の「過度の大統領集権制」、ヨーロッパにはこれに相当するものはないのだが、 第六共和制の支持者にとって、これはもはや現在の社会から承認を得られていない。単独によるこの権力行使を、ブノワ・アモンは「大統領の君主国」とも称しているが、彼らによればこれはシステムの二極化を助長し、政治的合意の形成を妨げる。第六共和制を支持する人たちは、調停者としての大統領を求めており、それはあちこち首を突っ込むのではなく大筋を決定する。そしてその大統領には通常の裁判が適応される。ブノワ・アモンは、例えば大統領任期を7年間とし、重大な危機にあたって大統領が全権を掌握するという憲法第16条を削除することを希望している。彼によれば「この概念は定義があいまいだ」。

2-政府にすべての行政権を与える。 第六共和制の支持者たちは、大統領と政府とのペアの間で、政府の方がより多くの活動の余地を持つべきだと主張している。彼らは、ニコラ・サルコジの言葉を繰り返すなら、首相が大統領の「協力者」になってしまったと考える。ただし、「首相は協力者だという概念は、シャルル・ドゴールの時代にすでに実効されており、彼は自ら第五共和制の条文を修正していた」とオルレアン大学の現代史の教授で政治史の専門家、ジャン・ガリグが2013年にフィガロ紙で回想している。「たとえばドゴールは、彼の首相ミシェル・ドゥブレがエヴィアン協定に反対した際、1962年に彼に辞任を要求している。」

3-「議会主制」を施行する。第六共和制の支持者たちは、行政権と立法権の均衡を回復することを望んでいる。彼らは、より確固たる手段によって、議会が政府の監査を行わなければならないとしている。ジャン・ガリグによれば、「不信任決議の条件が変更され、なかでも、もはや絶対的な多数派政党ではなく、相対的な多数派によって不信任決議が採択されることが予想されるであろう。」

4-国民をより代表している代議士を揃える。議会は、市民の様々な声をより良く伝えなければならない。これまでにもいくつかの道があり、投票方式に比例代表制を導入したり、白紙投票に対して再調査したり、再任を禁止したりされてきた。しかしジャン・ガリグによれば、「平等と混在性の尊重」も必要なのである。ブノワ・アモンは、特に元老院に市民の一団を導入することでこれを改革したいと考えており、またジャン=リュック・メランションは、これを廃して「Assemblée de l'intervention populaire(市民参加議会)」に換えることを提案している。

5-市民参加に支えられて。 メランションは、そのサイト「le Mouvement pour VIe République」で、「国民は、各人にとって良しとすることを自ら決断し、つまりはその主権を行使できなければならない」と考えている。この参加型民主主義は、たとえば周到な法の起草、重大な国家政策の実施、地方自治体の管理などに適用される。同様に、相当数の有権者が要求すれば活動中の議員の任期を延長するという可能性をあげる人々もいる。ブノワ・アモンは「49.3 citoyen (憲法49.3条市民)」の実施を提案している。これは有権者全体の1%に、ある法律の提案を議会に検証させたり、議会で採択された法律の実施を保留してそれを国民投票に委ねることを可能とする。

6-さらなる透明性を打ち立てる。 第六共和制の支持者たちにとって、政界の透明性を確保することは侵すべからざる大原則の一つである。「贈収賄で有罪判決を受けた人物には、終生にわたって被選挙権がない」、「議員はその義務として、財産申告において透明でなければならない」、「議員報酬やとりわけ議会準備金の使用」に対するモラルの向上は、ジャン=リュック・メランションのサイト上で擁護されている提案の一部である。
(Le Figaro紙サイト 2017年3月19日)