ワクチン接種が、非強制で、12月の終わりに始まる可能性がある

ワクチン接種が、非強制で、12月の終わりに始まる可能性がある

 

政府は感染者隔離の戦略強化も検討している

 


この件について政府はまだあまり明確に表明していない。「ワクチン接種を強制とはしないでしょう」とエマニュエル・マクロンは11月24日のスピーチで断言した。11月9日に公開されたその中間勧告では、厚生省の最高幹部は、ワクチン接種キャンペーンが始まる段階では、Covid-19ワクチンの認識がまだ十分に広まっておらず、疑うまでもなく投与本数が不十分で、そこで強制にするのは「時機が悪い」と考えていた。


今のところ、欧州委員会は、Moderna社、Pfizer-BioNTech、AstraZeneca社など6つの製薬会社と合計19億バイアルの協定を結んでおり、これは加盟国内で国民数に応じて再分配されることになる。「臨床試験の結果にもよりますが、最初のワクチンは、所轄の厚生当局の認可がおり次第、投与可能となるでしょう」とマクロン氏は言っており、つまり12月の終わりか2021年1月の始めである。


7月9日の彼の声明では、科学顧問は「最優先で」ワクチン接種を受ける国民は職業上の曝露を受ける人々(医療・保健職を含む)だと考えていたため、大統領は「おそらく最も弱い人々、つまり高齢者からワクチン接種を始めるでしょう」と言った。ワクチン接種の追跡調査は、「人々に密接に寄り添うもの(?)」とならなくてはならず、それは「科学顧問」が保証するであろうとして、その本質は明示されなかった。

 

それ以上の詳細はなく、彼は同様に「市民集団」の創設を指示しており、これは「国民をさらに広くしっかりと一体化」させることを可能とすることになる。この発表は科学顧問からの提案に呼応しており、彼は春から健康政策を討議する市民機関の創設することを要望している。この集団は、国民のワクチン接種キャンペーンへの参加を形成することに貢献しうる。


Covid-19の新規症例数、入院数、新規救急救命受診者数がいずれも同時に減少しており、今後はフランスで第二波がピークを超えることを考慮しなければならない。いくつかの地域、とりわけオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュールでは緊迫した状況が続くとしても。10月28日の大統領の最後のスピーチの際には、1日に6万人の新規Covid-19症例が確認されていた。11月19日にSanté publique Franceが刊行した疫学報告によれば、先週は20000名以下である。11月16日の第二波のピークの際には、Covid-19に罹った約33500名の人々が入院し、うち4900名が救命救急センターにいる。現在は、救命センターの患者は4300名以下である。ゆっくりとした減少が始まっており、10月から課せられた制約の緩和が検討できるようになっている。


罰金もあり得る

大統領は自宅隔離から脱するための目標をもう一度明確にした。1日あたりの新規感染者が5000人という閾値を何とか達成することである。すなわち8月の終わりの、救命センターに2500から3000名がいたような状況である。マクロン氏が12月15日に達成を期待しているこの数字は、科学顧問の委員長ジャン=フランソワ・デルフレシィを筆頭にたいがいの疫学者が12月の終わりまでに達成できるとは考えていない。この理論的かつ実験的発展(ETE)研究のスタッフでモデル化を担当している集団によれば、約0.8である現状の再生産数が12月いっぱい維持されるならば「救急センター病床稼働 が10月半ばと同等に戻るには、2021年1月まで待たなければなりません」。


最後にマクロン氏は、陽性症例の隔離を守らせるためのさらに強制的な取り組みへの道を開いた。「政府と議会には、さらに拘束力のある手段も含めて、感染者の隔離を確保するための条件を予測していただきたい」と彼は言った。「検査、追跡、隔離」の3条件(これからは最も不安を招かない「検査、防御、追跡、治療」に置き換わる)の中で、最後の項目がフランスが流行を抑制する教義の弱点である。今日では、それはもっぱらフランス国民の市民意識に左右されていて、フランス人は自分が陽性もしくは接触例だった時に自宅で1週間の間隔離しているよう要望される。第二波を止められなかった戦略である。


ここから新たな第三波をさけるために、与党には、Agirのグループ全体の議員たちのように、隔離に従わない場合には1万ユーロの罰金を強制するよう政府に要請した議員もいる。ヨーロッパでは、国によってはすでにこの手段を始めており、スペインでは罰金では最高で60万ユーロとなりうるし、さらにイタリアでは禁固刑となる。強制措置が取られなければならないなら、それは立法を経ることになるだろう。


年末の祝日を前にしたFouettard爺さん(*フランスのクリスマス・ナマハゲ)みたいに見られことは避けたいので、マクロン氏は「こういう人々を、金銭面、健康面そして心理的な面で孤立させることはありません」と言った。あらゆる強制的な取り組みに反して、科学顧問としては、自宅でのご奉仕(?)を負担するような奨励策を推奨した。

(Le Monde紙 2020年11月26日)