デスパレートなアベ

アベ政権が、報道の口を封じ、第二次大戦中の日本軍の不祥事を抹消しているとして告発された。


言論の自由の促進と擁護に関する国連特別報告者、デヴィッド・ケイが、日本における報道の自由と現下の歴史改竄に関して、決定的となる告発をした。ケイは国連人権理事会に提出されたそのレポートにおいて、日本の首相 アベ・シンゾーは、自分に楯つく報道をあらゆる面で封じようとし、とりわけ第二次大戦中の日本軍の有り様に関して歴史修正主義を作り上げているようだと説明している。

日本の首相は、多くのメディア、特にテレビ放送網に、「公正さを欠いた報道番組である」と責めることで圧力をかけたと取り沙汰されている。このレポートによれば、アベ政権は「触れられては非常に困る」と思われる問題について、多くの論説委員たちを糾弾にかけた。この事実が明らかとなったのは、アサヒ新聞の問題が取り沙汰された後で、2014年にこのメディアは、フクシマ原発の原子炉が爆発した際に、650名の職員が待機命令が出ているにも関わらず逃亡していたことは明らかにするなとされていながら、すでに盛んに書き立てていた。デヴィッド・ケイによれば、日本の首相は、ラジオ放送局が政府の意向に服従(soumettre)しないなら、その補助金まで取り上げたりしている。タカイシ・サナエ マイナンバー担当相は、「政治的に公平」でないならテレビ局の放送免許を剥奪するとした(放送法)第4条も起草している(rédigé)。


検閲された歴史教科書
人々は、例えばアベ・シンゾーが、戦死者を祀る場であり、国家主義者たちが1000名以上の戦犯の生涯を顕彰する黙祷の場でもある靖国神社に毎年参拝しているように、彼が挑発的でこれ見よがしの信者であることを知っている。彼は同じ過ちを犯している。ケイのレポートは、日本の首相は、外国人女性による売春施設や市民の大量殺戮のような、第二次世界大戦中の日本軍にとって不都合もしくはスキャンダラスな部分を、歴史教科書から削除しているとしている。1980年代のナカソネ首相の視点と同じで、何でもかんでもニッポン万歳で展開された視点の中で、アベ・シンゾーは歴史修正主義にたどり着き、大戦中には犠牲者であった近隣諸国との緊張を高めている。

デヴィッド・ケイがこれらの証拠を提示しているにも関わらず、日本の国連大使 イアラ・ジュニシは、この報告者を「嘘つき(menteur)」であると非難し、そのレポートを「不明確だ」と決めつけて、激しく反論した(*)。この人物は、「ケイ氏は、日本の法律も、日本政府が彼に提出した釈明も理解していない」ことは遺憾だと説明している。ドタバタは続くだろう。
(Le Point誌サイト 2017年6月14日)



(*)国連大使が国連報告者を嘘つき呼ばわりしたという内容でもありソースを検索してみましたが、そもそも日本語圏のインターネットサイト・ツイッターにはこの部分の情報がほとんどないという有りさまでした。

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