「 アベノミクス」からの教訓

通貨政策はいずれも濁った水に入っている。いたるところでその信頼が揺らいでいる。疑問が出てきている。11月17日に発表された、第三四半期での日本の経済成長が-0.4%であったという数字によって、日本が再び景気後退に陥ったことが確定した。裏目に出た日本国首相アベ・シンゾウは、窮余の策として11月21日に日本の衆議院を解散する決断をした。

経済学者にとって疑問に付すべきは、とりわけアベ氏の経済再建策「アベノミクス」である。一見したところ、2013年の日銀による大規模な公的買い付けは、同様に量的緩和政策とも呼ばれる措置であるが、これは日本を景気停滞から脱却させることができなかった。

量的緩和策が導かれていったのがいかなる場所であっても、そこから「量的緩和策は期待されたほど有効ではない」というためには、多数の専門家たちは躊躇せずにあと一歩を進めるだけでよい。とりわけドイツでは、この種の政策への不信は根強い。なぜならつまりベルリンでは、もしも日銀がこの手の道具立てで日本経済を立て直せなかったら、ヨーロッパ中央銀行はヨーロッパ経済の回復を活性化するためには量的緩和策を採用すべきではない、と囁かれている。

実をいえば、この問題には大きな誤解がある。日本の事例では、破綻したのは通貨政策ではなかった。全く反対に、日銀はすべての措置を検閲を受けずに自由に展開していた。違うのだ、機能しなかったもの、それは経済学者たちが「政策ミックス(policy mix)」と呼んでいるものなのだ。フランス語にするなら、複数の経済政策の調合。その予算政策と改革政策が、通貨という野心的な選別には対応できないがために、アベノミックスは見かけだけなのである。

「政策ミックス」の失敗
経済回復が持続可能であるためには、結果的にこの政策ミックスが、いわば実体経済の中で経済成長をもたらすような車のエンジンを再始動できなければならないが、経済振興策を支持する様々な措置がなければ、何が機能し続けるのだろうか。これはアメリカで起こったことだが、特にシェールガスの発見がもたらしたコスト削減があって、投資と競争経済は再び活発となった。

日本では、労働力市場と覇気に欠ける生産力を流動化するための改革を進めていた一方で、4月には消費税を5%から8%に増率して、薄氷を踏むような消費の再活性化に打撃を与えた。これらの政策の「政策ミックス」は、今のところ、失敗だ。

ここからユーロ圏のためにどのような教訓を導くべきか。まず、ユーロ圏のみに欧州中央銀行が景気回復のペースを取り戻すと期待するのは、無駄であり危険である。次に、国家は言葉を行動に移すことが早急に必要なのであり、これは、潜在している経済成長を推進することを目的としている国家予算政策および改革政策を、しっかりと連携させるためである。

マリオ・ドラギは、この数ヶ月間、政府に行動するように呼びかけており、11月21日のフランクフルトでのスピーチでも、これを繰り返した。彼から見れば、「極端に低い」インフレが再び急速に進行しないならば、欧州銀行はもはやたいして何もしないであろう。
(Le Monde Economie紙 2014年11月22日)