日本 : 安保法案が成立し、平和主義が終わった懸念

議会での小乱闘、だまし討ちの決議、デモ行為、請願書、複数の不信任動議...
異論の多い国家安全保障に対する法案が国会で採択され、緊張した数ヶ月間の討論が終わった。賛成148名・反対90名により、9月19日の早い時間に、参議院は第二次大戦以来初めてとなる海外紛争地域への兵士の派遣を可能とする防衛法を承認した。

週末となって一週間の連休が始まり、反対者たちのデモが激化する前に、政府はこれを成立させるように決めていた。複数の世論調査によれば、第二次大戦から現在に至るまで、平和主義に深く愛着を持っている日本人の2/3を超える人々が、この法案に依然として反対したままである。多くの人々が、世界各地でアメリカが引き起こす紛争に日本が巻き込まれるようなことになることを危惧している。彼らは、アメリカが2003年に始め、日本国政府が支援したイラク戦争を例としてあげる。この反対感情のために、中道左派紙アサヒによって9月中旬に行われた世論調査によれば、アベ・シンゾウの支持率が36%と力強く低下したものと考えられる。

違憲
市民の参加は月を追うごとに増大した。ほぼ日常的となったデモンストレーションには、重要なものでは数万人規模の人員を動員し、この国では異例な規模となったものがある。さらに、9月14日以後は、警察官の威圧的な配備にも関わらず国会にはデモ参加者が殺到した。

大義としての平和主義への回帰に加えて、さらにこれらの法律は憲法に違反するものと考えられている。「これが、今回の法案の本質的な問題なのです」と、反対運動の中でもトガった学生組織 Sealds ( SEALDs : 自由と民主主義のための学生緊急行動)の執行部の一人、奥田愛基は強調する。「議会制民主主義の原則を執るなら、憲法を尊重しなければなりません」とも彼は付け加える。何十人もの憲法学の専門家たちが、この法案を非難するために反対運動に参加した。9月14日には、引退した75名の裁判官たちも、例外的に口を差し挟むこととなる形で今回の法案を「民主主義の原理に反している」とみなす文書を発表している。
(Le Monde紙 2015年 9月18日)