社会的抵抗への呼びかけ

2017年6月18日、ジャン=リュック・メランションは、国民議会選挙第二次投票日の夜の談話を始めた。彼は、棄権とは「攻撃的な政治的意義」をもつものであり、まさに「国民のゼネラル・ストライキ」であると説明した。ジャン=リュック・メランションは、この「即戦力となるエネルギー」を市民革命を起こすべく変えるよう呼びかけた。彼は、マクロン政権には、その準備している「クーデター」を起こすことにも、普通法の適用内で緊急事態を導入することにも正当性がないとして、これらの問題に決断を下すための国民投票の開催を呼びかけた。彼はまた「社会法では、闘争なくしては1mも譲らない」と断言している。ジャン=リュック・メランションは、「政治、社会、文化における新たな民衆の前線(front populaire)」を作るよう呼びかけ、Bouches-du-Rône県第4区において彼が当選したと発表した。以下がこの発言の文字起こしである。



今夜、歴史的そして社会的に我々に反対する勢力が圧倒的と思われる勝利を獲得したようです。

しかしながら、この空気の中にはいくつかの良い知らせもあります。さらにとても良い知らせも。

まず第一には、本日表明されたこの圧倒的な棄権には、攻撃的な社会的意味があるのです。つまり、すべての権限を保有する締め付けられた少数派が、投票という手段を通じて社会の活力を作り出すのだ、と主張するような政治体制は疲弊している状態にあるのだということを示し、これによって私たちの国民は、今回の選挙においてある種の国民的ゼネラル・ストライキに入ったのです。一人一人の理解と能力にふさわしい言葉や手段による闘争を呼びかけることができればこそ、それゆえ私は今回の棄権のうちに即戦力となりうるエネルギーを見いだすのです。わずかでも我々がこのエネルギーに働きかければ、その時この勢力は広がり、棄権から攻めに転ずることができるのです。我々が棄権に呼びかけているのは、こうすることなのです。

第2の良いお話は、そのためにフランス国民は、まとまっていて秩序のある、攻撃的な「France insoumis」グループを、国民議会に置きました。私が全力を尽くして抗争への参加希望者を最大限に結集しようと努めている闘争がありますが、これに合流したいと願う人々は誰でも歓迎であって、彼らとともに闘争に入るのは、我々の集団なのです。時が訪れた時に、社会的反抗を呼びかけるのは、この集団なのです。そしてそこで私は、新たな政権に、社会法の分野においては、闘争なくしては1mも譲らないであろうと伝えます。

国民議会で出来あがった膨張したこの与党には、私たちから見れば正当性がなく、予測されていたその社会的なクーデターを遂行するような正当性はありません。それはいわば、労働法を廃止することとは社会的な公共の秩序を全て破壊することなのです。

まさに非常時の襲撃に対する国家非常事態の措置を、通常の法体制内で措定するなどという発想から予想されるあたり、この与党には狭義の意味で公共の自由の制度を変えるような正当性はありません。

それどころか、この状況で正当とされるのは、最も完全な反抗なのです。そしてこれが、その措置が国家にとって真に必要なものであり、それが国家の利益にかなっていると判断するならば、新たな政権は、その時点で権限内にある最も民主的な手段を用いてそれを処理しなければならないと私が言っている理由なのです。それはいわば、この少数派がフランス国民に要求したいと主張するものを、国民は希望するのかどうか、ウイかノンかを知るための国民投票による意思表明をフランス国民は求められるということです。

私の友人である親愛なる皆さん、あれほどたくさんの「France insoumis」の新たな代議士たちの当選を可能としていただいたこと、そして私には重要な機運があるのだという 強い自負からさほど遠ざからなかったことに対して、全ての人々に感謝をお伝えできる理由とはこれです。私たちの運動はまだ一年程度であり、私はそれをよく知っています。そして私たちが歩いているのは、未知の道です。我々の存在を他者に正当化してくれるもの、それは我々が有効だからなのだということを、まずは何よりも常に心に持ち続けながら、進歩し続けるでしょう。

富める一部の人間ではなく、せいぜい30歳までの若い人々のために、このようにたくさんの若い男女があなたの代弁者となったことを見るのは嬉しい。そこには若い世代がいます。どのような状況を考えても、この闘争には永続性が保証されている。

しかし加盟者が50万名になる我々のグループと運動は、途轍もない勢力です。一回の選挙は所詮は一回の選挙。大切なのは、その組織の永続性、組織の確信の揺るぎなさ、組織の形態なのです。そしてこれらはいずれも、これらは全て実現しているのです。これらはすべて成し遂げられているのです。

フランス国民は、旧世界の生き残りたちには一切のチャンスを与えませんでした。そしてフランス国民は、闘争の前照灯を前に進めるのに適任なのは、これからは我々であるとしたのです。

私は、国民議会におけると同様に、国家において、都市において、そして田舎において、我々に現前している歴史(histoire)のこの時期が大文字の「H」で綴られるものであることを、知りかつ理解する人々全員を、それぞれのあらゆる多様な行動手段に結集させることができるような、政治的、社会的、文化的に新たな国民の前線(front populaire)を、いたるところに作るよう呼びかけます。そしてそれは、これからの数ヶ月間もしくは数年間で、私たちがどのような世界で生活したいのか、私たちはどのような社会で暮らしたいのか、いま一度我々がいずれかの方法を選択することになるということです。それはいわば、今回の棄権の力が、これからの市民革命の力となりさえすれば、幸福な日々となるような世界を、損なうことなく完全なままに期待しうるのです。
(Jean-Luc Mélenchon氏ブログ L'Ére du Peuple 2017年6月18日)