国務院が「豚肉スープ」の配給を禁じる

国務院が「豚肉スープ」の配給を禁じる
極右団体 フランス連帯協会(SDF)が、ホームレスに豚肉ベーコン入りスープの配給を行うことを却下した国務院に対して、内務省が提訴した。


2007年1月5日、コンセイユ・デタは、ある極右団体によるパリでのホームレスへの「豚肉スープ」の配給に関して、それを認可したパリ行政裁判所の判決を破棄し、これを却下した。

「行政裁判の最高審査機関」は、パリでのこのスープの配給を禁じた12月28日の警視総監命令の保留を求めるフランス連帯協会の請求を却下していた。

豚肉をメインとしたスープの配給を主催するフランス連帯協会(SDF)からの提訴を受け、パリ行政裁判所の仮処分裁判官は1月2日に、パリ警視総監命令によるこの2006年12月28日の停止裁定を保留する行政命令を下している。

内務大臣からの申し立てによる控訴があり、コンセイユ・デタの仮処分裁判官たちは、警視総監がこの食糧配給を禁止しても、集会・運動の自由に対して「重大かつ明白に違法な侵害」をもたらすことにはなっていないと考え、1月5日にこの行政命令を却下したのだ。

内務省の代表ジャン=フランソワ・ブテ女史は、コンセイユ・デタ仮処分判事 クリスティアン・ヴィグルーに対して、このスープの配給は「差別的」であって、それゆえ公序を乱しかねないとした。

ブテ女史は、SDF協会のインターネット・サイトからあるフレーズ(「私たちの食べてるものを他者に差し出すのに、スープもなし、デザートもなし」)を引用し、この「豚肉スープ」のもつ差別的な様相に対しては、パリ市議会でも二つの議決がなされ、「差別と闘う独立行政機関」(Halde)も心を痛めていると付け加えた。

パリ市長 ベルトラン・ドゥラノエは、「豚肉スープ」の配給に反対する控訴を望んでいた。1月4日に内務省は、ホームレスに豚肉ベーコンスープを配給する権利を極右団体SDF協会に改めて認めたパリ行政裁判所の判決を取り消すよう、コンセイユ・デタに提訴した。信仰によって豚肉を禁じられたユダヤ教徒イスラム教徒を締め出す「レシピ」だと。

しかし行政裁判所は、「豚肉の摂取を宗教によって禁じられた人物に当てつけて、明らかにこの団体が差別的な目的を追求している」ことを認めたが、だからといって公共の秩序を乱すことにはなっていないことに配慮し、このスープの配給を禁じた2006年12月の警視庁の停止命令を追認しなかったのだ。

ベルトラン・ドゥラノエは、2日のこの判決に憤慨し、コンセイユ・デタが「共和国の諸原理に関して別の解釈」をもっていることに期待しつつ、特別にパリ市警視総監にコンセイユ・デタへの提訴を要求した。SDF協会が「外国人排斥を匂わせる意図」を打ち出していることに対して、市長は「あらゆる形態の差別、人種差別主義、反ユダヤ主義を告発しそれと闘う市当局の意志」を改めて表明した。

社会主義者である市長は、この食糧配給がユダヤ教イスラム教の双方の信者に対して、外国人排斥的で人種差別的だと考えるあたりで、4日にコンセイユ・デタに提訴した内務省と一致していた。この控訴は5日に審議されるであろう。16時には判決がわかる。
(Libération紙サイト 2007年1月5日: *原文では1月5日の記載の時系列が錯綜していて、判決が出たと審議中が混在している。)