ナルミの遺体の捜索: 最終的にドレ南部の地域に期待

ナルミの遺体の捜索: 最終的にドレ南部の地域に期待

クロサキ・ナルミが殺害されたと推定されてから1年が過ぎ、共和国検察官は昨日、遺体の捜索対象となる範囲が最近狭まったと発表した。ショワジー近郊(ジュラ)にて新たな探索が行われるであろう。


日本から10​あまりのメディアがやってきた。ブザンソン裁判所の図書室に集まった人々は、フランス人の同僚の傍で、共和国検察官エドウィージュ・ルー=モリゾーが述べる最小限の文言を子細に点検していた。

クロサキ・ナルミが行方不明となってから1年が経過したが、その謎はおそろしくコンパクトに単純なままだ。この日本人女子学生の遺体は何処にあるのか。警察にとっては、この若い女性が、元カレのチリ人 ニコラ・ゼペダ=コントレラスによって殺されたということには全く疑う余地がない。捜査員たちは、死をめぐるパズルはほとんど組み終わっていると断言するが、戦略上の核心となるピースが欠けているため、本件の裁判による解決を妨げている。つまり、可哀想な犠牲者の遺体である。これを特定できるという見通しは、月を追うごとに小さくなっていた。11月30日までは。

ブザンソンの共和国検察官は、「これまで捜査が展開されていなかった地区で、最近特定されたところで捜査は継続されるであろう」と発表した。それはショワジー、クリセーとゲヴリが隣接する地域の町の間、ドールの南のジュラに相当する。間もなくそこで、大規模な探索が推し進められることになる。起伏があり、森林地帯で、複数の川が流れ、たくさんの洞穴や渦がある(?)、この地形は理想的ではないのだが、警察はこの戦場にその最大限の希望を託すであろう。


通話記録が捜査員たちに味方した
ナルミが行方不明となってから間もなく、この地域にやって来たチリ人容疑者は、レンタカーを一台借りており、そのGPS記録が後から消されていた。偶然に消えたとは考えにくい。ニコラ・ゼペダ=コントレラスが自らの行跡を消去するためにいろいろな処置を行っているにも関わらず、捜査員たちは電話の通話情報を突き止めることができた。このデータによって確定できたのは広い地域で、これまでにも捜査が行われていたところである。

30日にエドウィージュ・ルー=モリゾーは、ナルミの遺体の場所を特定するためにこれまでに認められてきた超特大規模の労力を再び詳細に挙げた。「ドール、パーセーとショーの森との間で、遺体が焼却された場所を暴き出すために、地上での探索が何度も行われ、ヘリコプターによる探知も展開された。たとえちょっとしたものでも、疑いがあれば具体的に捜査が進められた。警察犬やダイバーも動員された。」この捜索活動のために、地上では150名におよぶ警察官が召集されている。

たまたま人体の断片が含まれていることがあるかもしれないとして、それを見つけだすために捜査員と法医学者たちが収集し調査した廃棄物は、合計で20トンを下らない。この共和国検察官は、「この検査は1ヶ月間にわたって続けられました」という。


DNA鑑定の重要性
ブザンソン司法警察の司令官 レジ・ミレーは、今までとは異なる電話中継機に部下たちがアクセスしたばかりだと説明しており、それまでこれは「閲覧禁止」であった。これによって、この地域を捜査対象に特定することができたのである。「容疑者は、遺体を処理するために、しばらくここにずっと位置同定されていた」と彼は言う。

これが成功すれば、発見される遺体はかなり損傷したものになると当局は考えている。しかし、DNA解析のおかげで、小さくとも人骨さえ発見されれば、正式にクロサキ・ナルミと同定するには十分である。これは重要な争点であり、それはこの件の解決策を決定的に規格外としてしまうからである。いくつかのシナリオが予想されている。唯一確実なことは、遺体がないままナルミの親族が喪に服すことは無理だと思われ、真実を知りたいと考えている。そして司法の正義を強く求めている。



ナルミ:司法による解決はチリ司法当局の手の内にある
エドウィージュ・ルー=モリゾーは、たくさんのマイクロフォンを前に「我々の意志は揺るがない。2018年に行われるこれらの新たな捜査活動の後、今回はチリ政府に犯罪者引き渡し請求がなされることになる」とはっきり述べた。遺体が見つからなくても、とも言う。サンチャゴにある最高裁は、その回答に2ヶ月を要するであろう。そこからは2つのシナリオが浮かび上がってくる。


チリ政府が引き渡しを承諾した場合
勝利である。ニコラ・ゼペダ=コントレラスはフランスの司法に引き渡され、警察と予審判事による取り調べを受ける。彼の意図に反して国際逮捕状がすでに出されており、これが起訴のために適用される。事実関係の再現が、ブザンソンの大学構内および捜査で特定されたさまざまな場所で行われるであろう。この予審の後で、チリ人容疑者はブザンソン重罪裁判所からの呼び出しを受けることとなる。


チリ政府が引き渡しを拒否した場合痛恨の一撃である。しかし、何よりも死体がないのであれば、実際にありうる。「一般的に、国家は自国民を引き渡しません。チリ政府もそうする可能性がありますが、それは最終決定となります」と、この共和国検察官は念を押す。この時、フランスには2つの出口が示される。問題を丸ごとチリ司法当局に移管する(dénonciation des faits: 事件の通告?)か、もしくは逆に、そしてこちらの方がありうるのだが、ゼペダ=コントレラスをブザンソンで欠席裁判にかけるかである。
(L'Est Républicain サイト 12月1日)