Covid-19 : 製薬会社アストラ・ゼネカが臨床試験でのミスを隠蔽したと告発された
このイギリス企業が公表した結果の一部に、投与量のミスがそのままなことが見つかった。専門家によってはこれは厄介だと判断している。
この告白は、本質として既知の結果を再び問題とするものではない。しかし現在開発されているワクチンへの信頼性を徐々に損いかねない。製薬会社アストラ・ゼネカは11月26日、同社のCovid-19ワクチンの臨床試験の際の間違いを隠蔽したことに対する指摘を受けた。
その夜、同社の専務取締役パスカル・ソリオは、この治療法には「追加検討」が必要であることを認めた。彼は、WHOは「オクスフォード大学・アストラゼネカ社のデータの完全な公開を待っている状況である。より詳細なデータが審理されれば、こにワクチンの有効性をさらに良く理解することが可能である」と言っている。
このイギリスの企業は、今回のプロジェクトに関してオクスフォード大学と共同研究を行なっており、23日には70%の平均有効率という期待の持てる結果を示していた。これはすなわちコロナウイルスの流行を阻止するために必要と想定されている60%を超えている。
しかし、この一連の結果は2つの患者グループに分けられていた。1つのグループでは1ヶ月の間隔を空けて同じ用量を2回接種されている。そこでは有効率は62%となった。もう1つのグループでは、1/2の用量の接種を受け、その1ヶ月後に完全な用量の接種を受けた。このグループでは90%の有効率を示した。
接種量の間違い
この時、同社のフランス支社長オリヴィエ・ナタフは、「これは興味深い知見です」と喜んでいた。より多くの人々に摂取するにはなるべく少ない用量でなければならないので、そこには国民が使用できる余地がある。」
研究者たちが一部の人々のみに初回に1/2の投与量を接種することになった理由についてロイター社から質問を受けたアストラゼネカ社のある幹部は、その日それは最終的には偶然の産物であることを認めた。つまり、契約企業の1社が単純に投与量でミスをおかしたのだ。この製薬会社は、これに基づいて実験を継続することを選択した。
この結果は今後の研究の手がかりとはなるだろうが、アストラゼネカがテーブルでしっかりとカードを見せるのではなく、むしろこの失敗を人々に隠蔽することを望んだと思われるようなやり方に、疑問を抱く専門家もいる。市場で販売するための青信号を請求するにあたって、おそらく政府に疑惑を抱かせるほどにまで。
「彼らが自分たちの薬剤開発プログラム全体への信頼を損ねたことは確かだと思います」とSVB Leerink投資銀行のアナリスト、ジェフレ・ポルジはNew York Times紙で残念がる。
同紙はフロリダ大学の生物統計学者で臨床試験の専門家ナタリー・デンにも言及しており、彼女はツイッターで、研究の「透明性」と「厳密さ」においてアストラゼネカとオクスフォード大学に「落第点」を与えている。
しかしながら25日には、アストラゼネカの幹部の一人が、1/2の初回投与量で検討され、より良い結果を示したグループには、55歳以上の患者が含まれていないことをはっきりと認めた。これはその翌朝、アメリカ連邦政府当局によって明るみに出された。この企業の透明性に対するコンプライアンスへの疑念を、さらに少し強めるものである。
(LePariseinサイト2020年11月26日)