ブザンソンのナルミ・クロサキ事件: 大学構内に現場へ移送されたニコラス・ゼペダはずっと感情を表に出さない
2016年にブザンソンで、元恋人だった日本人女学生クロサキ・ナルミを殺害した容疑がある29歳のチリ人男性、ニコラス・ゼペダが、10月22日に大学構内で「その申述を実地検分」すべく尋問を受けた
まず、この容疑者は22日の午前9時30分から、ブザンソンの予審判事による事情聴取を受けている。そしてその後に、彼はブザンソンのブロワの大学構内に移送された。予審判事、検察官、容疑者とその家族の弁護士、捜査員たちが同伴した。
「ナルミの居室は4年前から今もなお封鎖されており、彼女の両親は、まだ彼女の私物の返却を要求していない」と検察官エティエンヌ・マントーは述べた。
現場での再現
ニコラス・ゼペダは、「感情を一切表に出さず」、彼の主張する事実関係を変えていない。すなわち「自分はたまたまブザンソンでクロサキ・ナルミと再会し、彼女の居室でくつろいだ時間を過ごして、24時過ぎに別れた時には彼女は全く元気だった」と。
続いて弁護士は、「いずれにせよ自分は彼女の失踪には関与」していないと断言していると言った。今回の「現場への移送」は、この死体のない、そして「法医学的データがない」殺人事件において、犯罪現場の再現の代用となり、容疑者はそこで「ナルミの失踪に関連していることを頑として否定している」と言った。検察官は、本件の審理を進展させるための次の「重要な手順」は、ニコラス・ゼペダの心理学的かつ精神医学的な鑑定である、と述べた。
捜査員たちによれば、容疑者は2016年12月の始めにこの若い女性に会うためにブザンソンに行っている。12月4日の夜、彼女が消息を絶つ前夜に、彼らはナルミの住居に一緒に戻っている。この夜、複数の学生が「恐怖の喚き声、叫び声」を聞いていたが、「誰も警察に通報しなかった」と検察官は記録を読み上げた。
容疑者が借りたレンタカーのGPS記録によれば、彼は2016年12月6日の早朝にドレ(ジュラ県)の東部の森林地帯に行っており、捜査員たちはそこで彼が遺体を処理したのではないかと疑っている。
証言によれば、彼はその数日前にマッチと5リットル缶の燃料を購入している。大規模な捜査にもかかわらず、冷たい冬と雪の到来のために難航し、遺体はこれまでに見つかっていない。
(franceinfoサイト 2020年10月22日)