一人の女性ジャーナリストが、首相と親しい人物を強姦で告訴し、この国を動揺させている

一人の女性ジャーナリストが、首相と親しい人物を強姦で告訴し、この国を動揺させている


日本人女性ジャーナリスト、イトー・シオリが首相アベ・シンゾと親しい人物を強姦(viol)で告訴している。この事件は2015年4月にさかのぼるが、28歳のこの女性ジャーナリストは、客観的事実を司法が捜査することに期待していた、とLe Figaro紙は12月27日に伝えている。「私の個人的な事例は大したことがないのかもしれないが、それは社会を換えることができる」とフランスのある日刊紙にイトー・シオリは宣言する。ワインスタイン事件に続く#MeToo運動にも無関心なままのニッポンにおいて、彼女はこのタブーを打ち破ろうとしている。


警察は「捜査が難しいのだ」と答えた
イトー・シオリは、アベ・シンゾの伝記作者で、ニッポンのテレビ局TBSの前ワシントン支局長のヤマグシ・ノリユキを、彼女に薬物を投与し強姦した(droguée et violée)として2015年4月3日に告訴している。この人物は、2017年に複数の記者会見を行っている。その夜、当時ロイター支局の研修生であったイトー・シオリは、仕事上の会食で東京のあるレストランでヤマグシ・ノリユキと合流した。その詳細について、その時に「頭がクラクラしたので、トイレに行きました」と、記者会見の場でこの女性ジャーナリストは語っている。「洗面台に頭を乗せたことは覚えていますが、そこからは何も覚えていません」と彼女は説明する。

そこからは、彼らをあるホテルまで運んで行ったタクシーの運転手の証言を警察が記録しており、これが彼女の供述を補うこととなった。この若い女性は、ある地下鉄の駅で降ろしてもらいたかったのだが、ヤマグシ・ノリユキは自分と彼女をホテルに連れて行くよう主張した。若い女性はほとんど歩けなかった。「朝の5時頃に意識が戻りました」とこの若い女性は再びその仔細を語った。「私はホテルのベッドに裸で寝かされ、ヤマグシ氏が、私の上で、私を犯している最中でした。明らかなその詳細をお示しすることは控えますが、私に対する性行為が、私の意志に反して行われていたと申し上げることはできます」と、イトー・シオリは続けた。


「ほとんど強姦」に対する捜査

さらに、ニッポン社会との闘いが始まる、と、彼女は10月に出版された書籍ブラック・ボックスの中で語る。厄介な産婦人科受診や性的暴行の被害者協会への虚しい電話連絡の後、告訴しようとする彼女を断念させようとする警官たちに直面する。「この種のことはよく来るけど、捜査するのが難しい」、「キャリアに悪い影響がある」「私は自分の人生をダメにしようとしている」。この若い女性が強く主張して提訴し、警察は、アサイ・シムブン(英語版)によれば「ほとんど強姦」、意識がないため犠牲者が抵抗できない事例に相当する告訴箇条において捜査を始める。数々の証拠と証言に照らして、裁判官はヤマグシ・ノリユキを審理にかける。

しかし、警察が容疑者をまさに逮捕しようとする時に、殺人課のトップで首相ともまた親しいナカムラ・イタルが、介入を止めた、とLe Monde紙は語る。イトー・シオリにとっては、それは政治的介入であるが、これはこの警察の責任者は否定している。「ナカムラ・イタルは、逮捕を進めないよう指示したことを認めているが、政権の関与は全く否定した」と、Le Monde紙の東京特派員は述べている。その後、刑事法廷は不起訴を言い渡す。

「日本では、強姦は映画の中だけ、もしくはほんとうに遠いところで起こることと思われているのです。」 ー イトー・シオリ


それ以後、イトー・シオリはヤマグシ・ノリユキを民事で追求し、この事件をメディア化しようとした。10月24日、彼女は記者会見で、「ここニッポンでは、警察も司法も性犯罪の被害者を支援しないため、怖くて顔を出せない全ての女性たちのために、私は素顔で語りたい」と断言する。「ヤマグシ・ノリユキは、自らのフェイスブックで、自分は何も違法なことはしていない」、そもそも警察は彼の立件を断念していると反論するにとどめている。
(franceinfo 2017年12月27日)