ナルミ事件: チリ人容疑者ニコラス・セペダがフランスに到着した

ナルミ事件: チリ人容疑者ニコラス・セペダがフランスに到着した

 

その飛行機は11時過ぎにパリCDG空港に着陸した。

 


ニコラス・ゼペダがフランスにいる。2016年にニツポン人の元恋人ナルミ・クロサキブザンソン(ドゥー県)にて殺害した容疑のあるこのチリ人が引き渡された飛行機は、24日にパリCDG空港に着陸した。


ある空港筋からの詳細によれば、チリの首都サンティアゴを発し11時12分に着陸した飛行機の出口で、ニコラス・ゼペダが「先ほどフランス当局に身柄を引き受けられた」。この29歳の男性は、女子学生殺人の唯一の容疑者であり、その当事者であることは一貫して否定していたが、これから国際逮捕状の執行を通告される。ついでそのままブザンソンに連行され、そこで本件を担当する予審判事から尋問を受けるであろう。


「チリの司法が、コロナの状況下にもかかわらず、我々の犯罪人引き渡しに応じたスピードは、異例です」とブザンソンの検察官エティエンヌ・マントーは断言する。彼は、この引き渡しは「異例な判断であり、チリが海外在住民を、相互協定(?)もなしでフランスに引き渡すのはこれが初めてです」とも言う。

 

嫉妬深い容疑者
21歳の学生クロサキ・ナルミは、ブザンソンの大学構内で暮らしており、最後にそこで2016年12月4日に目撃されている。ニコラス・ゼペダは裕福なチリ人家庭の子息で、彼女の元カレだった。彼らは2014年に、彼が留学していたニツポンで出会っている。情報通信業界の大物の息子は、そこで激しく恋に落ち、家族にも彼女を紹介している。


しかしながら、捜査によればナルミが失踪する少し前にこの二人は疎遠となり、ニツポン人女子学生は新たな交際を始め、その時点で自国に戻っていたこのチリ人に嫉妬を引き起こすこととなった。エティエンヌ・マントーは、予審裁判官と2人の捜査官とともに2019年4月にチリまで行っている。その9ヶ月後に彼は捜査は終了したと発表し、「クロサキ・ナルミの殺人に対してブザンソン重罪院に出頭するためのニコラス・ゼペダの犯罪人引き渡し」が必要だとした。


捜査員たちによれば、ニコラス・ゼペダは、2016年12月の初めにこの若い女性と会うためにブザンソンに行っている。12月4日夜、彼らは一緒にナルミの宿舎に入っている。検察官によれば、複数の学生がこの夜、「恐怖の喚き声と叫び声を聞いている」。しかし「誰も警察に通報しなかった」。


彼の車のGPSによれば、2016年12月6日の明け方に容疑者はドレ(ジュラ県)の森林地帯に行っており、捜査員たちはそこで彼が死体を処理したと考えている。この若い男性は、共和国前大統領ニコラ・サルコジ(2007-2012)の元弁護士だったジャクリーヌ・ラフォント氏が弁護を担当することになるが、その数日前にはマッチと燃料缶を購入している。大がかりな捜査にも関わらず、遺体は全く見つかっていない。


「それでも彼らは愛し合っていた」と容疑者

ブザンソンの元検察官エドゥイゲ・ルー=モリゾは、事件当時にこの容疑者に関して「押し付けがましく不気味(inquiétant)な一面」に触れている。チリ当局に送られた書状のなかで、この容疑者は2016年12月初めにナルミに会いにブザンソンに行き、「彼らはそれでもやはり愛し合っていたと納得し」ていますと叙述していた。彼は12月4日から5日の夜の一部を彼女と過ごしたと言っているが、そこからは一人で戻ったと主張している。


ナルミの家族は「彼には別の防衛戦があると想定」している。「ナルミの遺体の発見、彼らにとってはそれが重要なものの全てなのだ」と彼らの弁護士シルヴィー・ギャレーは、5月のこのチリ人の犯罪人引き渡しの発表で断言していた。

(Le Parisien紙サイト 2020年7月24日)