ニツポンで#metoo運動が拡大している

ニツポンで#metoo運動が拡大している

ハラスメントや強姦についてはタブーだったにも関わらず、複数のスキャンダルが白日のもとに炸裂した


#metoo運動がニツポンを悩ませ始めている。世界経済フォーラムにおいて、男女平等の分野で第114位とされた国では、4月28日の新宿区で組織された集会が示しているように、この与えられた情勢を変えたいと考えているニツポン人がどんどん増えている。数十名の女性と男性が、ハラスメントを取り巻く沈黙を告発したい、何よりもその犠牲者たちに自分の気持ちを表明するよう呼びかけたいと考えていた。これをきっかけとして、アッシュタグ #私は黙らない0428 が作られた。

実際にニツポンでは、ハラスメントのこととなるとすぐに沈黙がお定まりである。2015年を対象とした警察の統計によれば、強姦の犠牲者でその襲撃を申告するのは4%以下である。沈黙する理由は、報復を怖れ、その辱めが根強く続くからである。例えば、元TBS系列のジャーナリストで、アベ・シンゾ首相と近く、その伝記も書いているヤマグシ・ノリユキに、2015年に襲われたことを叙述し、2017年にブンゲイシュンジュウ社から出版された本の著者である、ジャーナリスト、イトー・シオリに関しても全く同様だった。彼女は、トーキョーでの商談の際にその夕食にクスリを盛られ、さらに意識がないのにホテルで彼女を犯したとしてヤマグシ氏を告発している。

イトー氏の決意にも関わらず、その推定される容疑者の有罪判決を彼女は勝ち取ることができなかった。捜査は行われたのだが、報道によれば警視庁組織犯罪対策部の幹部ナカムラ・イタルの介入があり、ヤマグシ氏は逮捕されていない。イトー氏は、自分の国で汚名を着せられ脅迫を受けて(*!!)、現在イギリスで生活している。

こういった状況は変わっていく兆しがあり、4月27日に女優 チノ(20)が、彼女がまだ高校生だったにも関わらず彼女から見ればいかがわしい行為に身を委ねた演出家イシハラ・ミキヤとの和解で得られた金銭を、エンターテインメント業界に #metooグループ を作るために使いたいと語った。彼女は、「この業界ではセクシャル・ハラスメントも権力の濫用もないところを知らない」という。


関与した著名人たち
広告企業デンツの社員でアートディレクターのキシ・ユウキは、ブロガー アー・シュウに彼が一緒に働いていた頃のハラスメントを告発されたために、謝罪を発表し辞職した。著名人も何人か関与している。人気ボーイズ・バンド トキオのヤマグシ・タツヤは、未成年者に自宅でキスをしたことをテレビで生謝罪した。彼の契約は全て破約となった。いまだに最も不満が多いのは、フクダ・ジュニシの件である。この財務省の公務員のトップは、4月18日にハラスメントを理由に辞職していて、彼は一貫してこのハラスメントを否定している。彼は、テレビ・アサイの女性ジャーナリストに対して良からぬ行為をしたとして告発された。雑誌シューカン・シンショが公表した記載によれば、フクダ氏と思われる人物が、決して名前を明かしたがらないこの女性ジャーナリストに、「胸触っていい?」、「予算が通ったら浮気するか」と求めている。

この事件が激しい反応を呼び起こしたのは、その監督大臣であるアソ・タロが、メディアは政府の取材はみんな男だけにしろ、とほのめかしたためだ。しかしながらそんなこの政府は、「ウオミノミクス」政策を介して「女性を輝」かせたいと主張している政府なのである。
(Le Monde紙 2018年5月3日)