ニツポン: 報道機関からの質問とは、政府がその妥当性を判断する筋合いのものではない

ニツポン: 報道機関からの質問とは、政府がその妥当性を判断する筋合いのものではない

 

国境なき記者団は、首相シンゾ・アベに、日本国民の知る権利を尊重するよう要請し、ジャーナリストたちからの質問には例外なく全て答えるよう、この主旨でその閣僚グループに通達を行うよう勧告する。

 

 

2019年2月26日の記者会見において、ニツポン国首相シンゾ・アベ内閣の官房長官ヨシイデ・スガは、トーキョー・シムブンの記者イソコ・モシズキから出された複数の質問に対して、自分には「そうする義務はない」として、その回答を公然と拒否した。この一件は、ジャーナリスト組合、メディア、野党から怒涛のような烈しい抗議を引き起こし、1万7千筆以上の署名を集めた誓願運動が始まった。

 

国境なき記者団は、首相シンゾ・アベに、日本国民の知る権利を尊重するよう、そしてジャーナリストたちの質問には例外なく全て答えることとするよう要請する。

 

「政府関係者とは国民に仕えるものであり、メディアから出される質問を選り好みしたり、当然ながらその妥当性を判断してはならない」と、国境なき記者団東アジア部局長のセドリック・アヴィアニは強調する。「民主制の健全な運営において、ジャーナリストは欠かすことのできない役割を果たしており、彼らがその読者たちの利益のために必要であると判断した質問を行うことは、その資格において当然のことである。」

 

この出来事に至るまでには、アベ政府とトーキョー・シムブンのジャーナリストたちの間に一連のいざこざがあった。遠慮ない率直な質問で知られるイソコ・モシズキは、2000年からこの地域日刊紙に勤務しており、政府広報担当部からの嫌悪の標的となって、彼女の質問が連日却下されている。

 

12月に発表された声明で、この首相の内閣は、ニツポンのメディアに対しては質問をするなら「適切」で「事実に基づくように」とまで要求しており、これは報道業務が有する2つの特徴であるという事実を引き合いに出した侮辱寸前の指令である。

 

ニツポンは、国境なき記者団の2018年世界報道の自由ランキングでは、180の国と地域の中で第67位である。

(国境なき記者団サイト 2019年3月5日)