日本  ツナミの子供達には精神的なケアが必要である。

調査対象となった3歳と5歳の子供の25.9%が、行動異常、もしくはめまい、吐き気、頭痛などの不定症状を呈している。


2011年3月に日本の東北地方で津波の被害を受けた子供の1/4に精神的なケアが必要である、とある報告書は述べ、迅速な対策を求めている。
この研究の著者たちによれば、 調査対象となった3歳と5歳児の25.9%が、行動異常(元気なあまり暴力過剰となったり、ある形態の引きこもりなど)、もしくはめまいや吐き気、頭痛などの不定愁訴を呈している。
ツナミによって最も被害を受けた3つの県の178人の子供を対象として、2012年9月から2013年6月に行われた調査で観察されたこの比率は、3.11災害の被害を受けない地域で確認された比率より3倍近く大きい、と東北大学クレ・シゲオ教授の研究チームはいう。
AFPの取材を受け、彼自身が「こんなに高いと思っていなかったのですが、このパーセンテージには驚きました」と考えている。


友達をなくしたり家がなくなった場合に顕著
この調査で採用された方法はChild Behavior Check Listであり、これは比較検討が可能な手法として国際的に知られているのだが、しかし被験者を抽出した正確な基準に関しては、はっきりしない。
厚生省によって行われた今回の調査によれば、このような心理学的障害を示す子供は、友達をなくしたり、もしくは家がなくなったり、あるいは沿岸の街をなぎ倒す水の壁を目の当たりにしている場合に顕著に見受けられた。何人かは、両親とも離散していた。
この子供たちが、もしも今からすぐに適切なケアを受けることがなかったりすれば、成長過程でのちにさらに悪い問題に直面するかもしれないと報告は明記している。
対象となった178名の子供たちは、調査に参加するにあたって同意したのは両親だったのだが、自分の経過を今後10年間にわたって毎年確認されることを希望している。
2011年3月11日に沖合で起きたマグニチュード9の非常に強い地震の後に列島の東北沿岸に押し寄せた巨大な波によって、18,000人以上の人間が死亡し流し去られている。


幼児の専門家は少ない
現在までに、この津波が成人に及ぼした影響に関心をもつ研究はたくさんあったが、幼児への影響を概観する研究は稀である。
「データの形でこの状況を明らかにする仕事は、これが最初なのです」と国立成育医療研究センターのオクヤマ・マキコは毎日新聞で強調する。しかしながら、今回の研究に参加したこの医師は、惨劇のあと1年半もたってから調査がなされたことを懸念している。「自然災害の犠牲となった子供たちがケアされなければならないことは、すでに知られているんですが」。
「この種類の心的外傷を受けた子供達には、迅速にきちんとした精神的支援が行われなければなりません」と彼女の同僚タケオ・フジワラは意気込んだ。
「私は、多くの子供たちは普通の生活を送るだろうと考えていますが、ときどき医療のフォローが必要となる行動を引き起こすでしょう」とクレ教授も強調する。
しかし、人口が100万人以上ある主要都市である仙台を含めて、被災地では子供の専門家がひどく不足しているだけに、状況はいっそう難しいものと思われる。
フクシマ第一発電所での前代未聞の放射能災害の原因にもなった3.11の一連の災害に関して行われた学術会議の場でこの研究が発表されたのは、この惨劇による最大の被災地の一つであった、宮城県のこの県庁所在地においてであった。
(Le Nouvel Observateur誌 2014.1.27.)