15年間の価格下落が片付いたことに日本は希望を抱いている

一連の統計データが日本の困難な経済情勢を示すならば、それによって同様に日本が再びインフレとなることも確認される。それは、15年間に及んだデフレから日本が脱却するという日本政府の期待を高めるであろう。8月29日に発表されたデータでは、物価は7月の時点で、2013年の同月より確かに3.3%上昇している。

2013年4月以来日銀が主導した強力な通貨規制緩和政策は、クロダ ハルヒコ総裁が慎重な姿勢を崩さないとしても、ある結果は示した。
ジャクソンホール(米国ワイオミング州)にて行われた中央銀行総裁会議における8月24日の声明にて彼は、日本は「デフレとの闘いの途上にあるだけである」としている。
実際に7月のデータは、 まず4月1日の消費税率の5%から8%の増加によって説明できる。この影響を除けば、インフレは1.3%から出ない。

そのうえこの物価の上昇は、一部は「国外からもたらされたもの」である。円安および原油やガスなど原料資源の輸入総額の増加は、燃料および食品の価格の高騰によるものであって、それは日本の国内需要の増加によるものではない。

その一方で、このように物価が上昇しても、春の労使交渉では賃金は停滞、それどころか後退することとなり、しかもそれは政府からプレッシャーを受けた企業での契約でもそうなのである。
日銀による2%のインフレ率達成をむしろ歓迎するクロダ氏にとっては、これは困った事態である。総裁は、企業が記録的な収益を解放し、自分たちの賃金政策を思い出してくれることに期待している。

29日に政府は、7月の個人消費が5.9%落ち込み、そして失業率が0.1ポイントと軽度上昇し3.8%になったと発表した。

この流れの中では、 輸出が停滞しているために工業生産は6月に比較して0.2%増加したのみであった。

本会計年度の最初の四半期においてGDPが大幅に低下した後、大多数の経済学者は7月から9月での盛り返しを待っている。主に5%の消費低下の影響を受けて、GDPは4月から6月の間に年次変化で6.8%も低下した。

これにより、日本は4月の初めから60%の成長(??)を来たしたが、これは消費増税の反撃を受けた。結果的に個人は、この期日までに大いに消費し、これを境として消費を手控えた。

三菱東京UFJ銀行のセキド タカヒロにとっては、この状況が日銀に「経済成長展望を下方修正させたのだ」という。今のところ中央機関は、2014年度GDPの1%の成長に賭けている。

検討されている次の消費増税
アベ シンゾウ首相にとって、このデータは最悪なタイミングで悪化した。2012年12月の政権復帰以来、彼は有名な「アベノミックス」を提唱していた。これは「三本の矢」が日本を経済的困難から脱却させるというものだった。

最初の2本、通貨政策と経済振興策は、いくつかの成果を示した。しかし第3の矢、これが持続可能な成長を可能にすべきものだが、これがもう放たれねばならない。

(第三の矢は) 構造改革、特に農業改革のプログラムであるべきものだが、しかし同様にTPPのように同意協議を介して自由貿易を促進する政策でなければならない。しかし、この処置はあまり人気がなく、首相もこれについてはまだ具体的なことを言わない。

アベ シンゾウは、2015年10月1日に次の消費税率を8%から10%にするのかどうか、12月にはその決断もしなければならない。全ては日本国の経済的状況等を勘案して決める、と彼は約束している。

アベ氏はこれによる国家の公共財政強化を目指しており、国際社会には、2020年度の終わりには日本の一次収支バランス(国債還付金を除外した)を均衡化すると約束した。今日の日本の国債負債額は、GDPの200%を超えている。
(Le Monde紙 2014年8月29日)