後退している2016年の中国と日本の経済成長

中国も日本も、その経済はこれからの2年間で明らかに減速するはずなのだが、世界貿易の不安定さを補うであろう国内消費のおかげで、アジアの経済成長としては手堅いままであろう。IMFは5月3日にこのように発表した。IMFは、地方の経済成長が、政府の経済再建策とより安価な原料費、低い失業率によって促進されるであろうと予想し、当局に経済改革政策を維持するよう呼びかけている。しかしながら次の試練には事欠かないであろうと、そのアジア・太平洋地域の展望の中で述べている。そこには、先進諸国の経済的な脆弱性、力のない世界貿易額、不安定な金融市場があげられている。IMFは、2016年と2017年のアジアの経済成長率を、従来の予想の5.4%に対して5.3%と予測している。「アジアは、今、世界で最もダイナミックな地域ではあるが、世界規模での経済回復が安定しないための強い逆風や世界的な貿易不振、そして短期間だった中国の経済移行期のインパクトに立ち向かわなければならない」とこのレポートで述べている。「世界規模のリスクに対する抵抗をさらに強め、ダイナミックな状況を維持するためには、政策決定機関は、生活費の変化に応じて需要を維持しながら、生産性を高め課税を軽くするための構造改革を推し進めなければならない。」


中国経済は、世界規模での経済成長における重要な原動力であって、2016年に6.5%、2017年には6.2%の増大を示すであろう。この数値は、2015年の調査結果の6.9%を大きく下回っており、この四半世紀では最も低いが、これまでのIMFの予想のなかでは少し良い。しかしながらIMFは、中国当局者が、公共投資や輸出よりサービス業と国内消費に向けて経済モデルのバランスを取り戻すようにすることを指摘する。IMFは、同様に日本の経済成長も鈍るであろうと判断している。これから中国との貿易が減少していく一方で、ドルに対してこの18ヶ月間で最も高い(非常に高い? : à des plus) 円高によって、輸出が被害を受けるであろう。その結果として、IMFは2016年の経済成長率の予想を1%から半分減らして0.5%とし、2017年に対しては、延期されている消費税増税を考慮して経済成長率はマイナス(-0.1%)となるであろう。IMFは、かなり以前からあげられている人口の高齢化と、膨大な国債の問題点にも言及している。日本銀行は先週、最新の統計データが並み以下であったにも関わらず、その支援策を強化することを退けた。3年以上も前に首相 アベ・シンゾーが発表した経済再建戦略が、息切れしているにも関わらず。
(Le Monde紙 2016年5月3日)