「イスラム国」に拘束された人質の一人が処刑された可能性があり、日本政府は声を失う

イスラム国」に拘束されていた日本人2名のうち、1名が殺害されたようだ。該当するのはユカワ・ハルナ氏、セキュリティコンサルタント。彼は昨年8月よりイスラム組織に拘束されていた。この情報は、1月24日に音声メッセージのついた静止画像によって伝達され、全てはインターネット上に拡散された。

たとえこの画像が鑑定の最中であっても、日本の当局は激しく反応している。緊急の案件として関係大臣たちが呼び出され、深夜1時10分より会合を開いた。アベシンゾウ首相は、「御家族の心痛に配慮し、言葉もない」と表明した。1月25日には、この録画の信憑性が高くなったと彼は判断した。

「許しがたい行為」
彼は「この堪え難い暴力への怒り」を表明しつつ、もう1名の人質、ジャーナリスト ゴトウ・ケンジには「危害を加えない」よう、「直ちに解放する」よう呼びかけた。それに先んじて官房長官スガ・ヨシヒデは、「許しがたい行為」に触れて「最大限の毅然たる態度で断罪する」とした。

それでも「あのメッセージは鑑定中であり、調査中であって、まだ解析しなければならない」と防衛大臣は明言する。それにも関わらずバラク・オバマは、「テロリスト集団イスラム国による日本人ユカワ・ハルナの虐殺」を断固として非難する。

13日にイスラム国から申し渡された最終期限は、日本時間23日14時50分に切れた。イスラム組織は、2名の人質の生命と引き換えに2億ドルを要求している。

この金額は、1月半ばにアベシンゾウ首相が行った中東訪問の際に約束した経済援助の金額そのものである。日本政府は、「この援助事業は人道的なものであって、インフラ開発のためのものであり」「軍事的な様相を呈するものでは全くない」と強調する。しかし「イスラム国」の戦士は、日本が自分たちに対する「十字軍」に加担する兆候をそこに見て取っている。

日本政府は、同盟国に支援を要請した
最終期限は過ぎたが、新しい進展は何もない。「イスラム国」との交渉を開始するためのコンタクトを確立すべく、外務副大臣ナカヤマ・ヤスヒデが指揮し、警視庁テロ対策専門家を含む日本政府対策チームが、ヨルダンのアンマンで編成された。

この地域にほとんど仲介者を持たないために、日本政府は同盟国、特にフランス、イギリス、米国に活発に支援を要請した。同様にヨルダンとトルコにもとても期待している。この事件が起こってから、日本政府は2人の男性の解放を獲得しテロリズムと戦うという態度について念を押す以上のことはせず、場合によってはありえた進展については、情報の漏洩を固く防いだ。(?)
(Le Monde紙 2015年1月25日)