日本では、地震が起こるとデマが『外国人』の恐怖を煽る

日本では、地震が起こるとデマが『外国人』の恐怖を煽る



6月18日から、誤った情報がSNS上を飛び交っている...
いわば大地が揺れて良識も揺らいだのだ。18日に大坂地域を揺るがせたマグニチュード5,3の地震は、4人の死者を出したが、その後地方当局は、SNS上に広がり始めた流言を警戒した。特に『外国人』が起こしたとされる架空の犯罪を報告するものが何人かいた。

Huffington Post Japanは、18日の朝に地震が起きてからたった10秒後に、ツイッター上で電車が脱線したとか、シマウマが逃げ出したとか、いろいろな建物が崩壊したなどに関するメッセージが広がり始め、これらの情報はデマだと確認されている。

これらの流言の中には、「ニツポン人が冷静な態度なのとは全く対照的に」、『外国人たち』が「地震に慣れていないので」「コンビニから略奪し」たり「空港に押しかけ」たりしているというものがいくつかあった。また、これらの外国人たちによるテロ攻撃がありうるというものもあった。こういった流言は、大抵が他のネット住民たちによって、さらには地方当局によって否定された。大坂府のサイトには、「その情報源をしっかり確認し、それが信頼できるものか確認してください」との警告が掲載された。


1923年の震災の後には6.000人以上の朝鮮人と中国人が虐殺された
このタイプの流言は今に始まったものでなく、自然災害が起これば再び出てくる傾向にある。熊本での地震は、2016年4月に数十名の死者を出したが、その後ライオンが逃げ出したとか、朝鮮籍の人物たちによって井戸に毒が入れられたなどという誤った情報が、一つの例では何百万回も共有されている。およそ100年前、1923年に関東地方を荒廃させた震災の際には、こういったデマのせいで、6.000人以上の朝鮮人と中国人の虐殺を引き起こしている。

最近では2011年3月の三重災害(*福島の地震津波原発災害)の際には、その5年後に仙台で行われた調査において回答者の80%が『外国人』が犯罪を犯すというデマを信じたと言っている。『外国人』の仕業であるとされた犯罪のトップは「盗難と略奪」、ついで「屍体の損壊」(特に指輪を盗むため指を切ることによる)と「性的侵害と強姦」である。犯罪者だとされていた人々の国籍に関する質問では、回答者はそのトップに「中国人」ついで「朝鮮人」、そして「東南アジア系の人々」を挙げた。

「犯罪を外国人のせいだとするデマは、ニツポン人の常に冷静であろうとするというイメージにそぐわないとすることは、疑うまでもなく現実的です」と、この調査を行った東北学院大学教授のクワク・キーワンは毎日新聞で分析する。「おそらくこれらのデマを拡散することに貢献した人々がいて、それは害意があったわけではなく、彼らが不安だったからです。」これらのデマは「大きな地震があれば再び出現し、これを排除するのは容易ではありません」とこの研究者は指摘する。「デマを分析する能力を、各自が持たなければならないのです。」
(20 minutes サイト 2018年6月19日)