ゼムールとメランションがBFMTVに登場、熱い応酬(?)と一方的な主張の合間で

ゼムールとメランションがBFMTVに登場、熱い応酬(?)と一方的な主張の合間で

 

 

声を荒げることはなかったが、ざわめきと理念(idée)はあった。ジャン=リュック・メランションとエリク・ゼムールは、9月23日にBFMTVにおいて、2時間以上にわたってそれぞれのフランスの展望、その歴史や未来も含めたフランスの展望を闘わせた。


フランス不服従の指導者(*メランション)は、その舞台裏ではこの極右の評論家の理論を、気の利いた言葉もしくは辛辣な切り返しで解体しようとした。彼はこのやりとりを通して、ヘイトを扇動したとして何度も有罪判決を受けているこの夜の論戦相手の「人種差別主義的」もしくは「性差別主義的」な発言を好戦的に蒸し返すことにもこだわった。


彼に対してエリク・ゼムールは、もはや2022年春の大統領選への野心を隠すこともなく、

しかしながらまさに予測されていた彼のテーマである、移民とイスラムに対する闘いからはなかなか離れられないようだった。それを彼は「フランス共和国とは相入れない」と判断している。


そしてこの対決者たちが意見で一致していたとしてもどうということはなく、「闘鶏」まがいとになってはならないはずのこの討論が始まった最初の数分から、このやりとりはしばしば「小男(?: petit bonhomme)」と「偉大な舵取り(毛沢東の異名)」との罵り合いになった。


「ゼムールの国(Le Zemmouristan)」はもう存在している、それはサウジアラビアですよ」

周囲の人々によれば、ジャン=リュック・メランションは「ハリボテのゼムールをこき下ろす」ことを楽しみとしてこの情報テレビ局に登場しており、放送を聴き始めてから数秒でこの元ジャーナリストをフランスにとって「危険」だと形容し、大胆に攻撃した。


「あなたは私たちの国家にとっては危険です。あなたのフランスに対する展望は貧弱で、あなたは人種差別主義者で、だから有罪判決を受けたのです」と、まだジャーナリストたちがこの放送の「討論」のコーナーを始めてもいないのに、彼はのっけから叱責し、彼の「脳みそは時代錯誤」だと非難し、この敵対者の女性に対する「驚くべき」ビジョンもあげた。


「私たちのようにあなたに好き放題させない人々は沢山います、あなたにムスリムたちを追い払わせません」と議論の合間には彼はガツンとかまし、その後にはこの評論家の政策プロジェクトはサウジアラビアの体制に近づいているとした。「ゼムールの国(Le Zemmouristan)」はもう存在していて、その国では女性たちは蔑まれ、そこには死刑があり、そこでは同性愛が有罪となる(…)。それはサウジアラビアですよ」と彼は言い放った、ちょっとした挑発者である。


それは「イスラム化した郊外も同じだ」とエリック・ゼムールは彼に対して答え、「フランスのエリートたち」が「アラブ-イスラム文明から来た何百万人もの移民を入れるような愚行を犯したのだ」と非難した。


「彼(ジャン=リュック・メランション)は地球を救いたい、私はフランスを救いたいのだ」

「これらの排撃を越えて、この2人の人物はこの議論の最初の部分によって、この社会に対して根本的に異る彼らの展望を戦わせることができた。しかも豊富に歴史に言及することによって。フランスは移民を受け入れるのかどうかと問い質され、この評論家は子供にはいわゆる「フランス風」の名前(prénom)をつける義務を法制化することを希望し、ジャン=リュック・メランションが彼の大切な「クレオール化」の概念について語り始めると、「(*フランスが)同化する」よりも「(*移民が)同化する」方を擁護したがった。


しかし、あらかじめこの放送では環境問題もしくは社会的な諸問題にも大きく時間を割くとしていた。それは22時過ぎ、意見交換の60分以上後となり、それはいい機会だった。すくなくともこのスタジオ側にとっては。


フランス不服従の議員(*メランション)は自らの方針を繰り広げ、とりわけ全産業スライド性一律最低賃金の増額のために論陣を張った。気候変動計画については、「もし何もしなければ2050年には、カマルグ地域、ポワトゥー地域の沼沢地帯、ダンケルクボルドーが水没するだろう」として、「計り知れない脅威だ」とした。エリック・ゼムール側では、原発賛成、風力発電反対といったような立場を展開したが、なるべく控えめになろうとしていた。気候温暖化が存在することは認めながらも、「自分は専門家ではないし議論があることも知っている」と彼ははぐらかした。


この評論家(*ゼムール)は、とりわけジャーナリストたちから提起された別のテーマを、たいていは自分がこの国で多数派だと思っている彼自身の懸念に帰着させた。フランス国民の購買力は?移民たちに対して寛容すぎる社会支出によって圧迫されている。「連帯は改めて国営にすべきであり、外国人の積極的連帯所得制度や家族手当をこれ以上支払うべきではない」と彼は考えていた。2050年にはどのような展望を?「もしもフランスのイスラム化が続くならば」、「大局的にはレバノン」であり、「別の国民に取って代わられた国民」である。投票棄権の記録が更新されていることについては?30年前から右翼と左翼が招いた結果であって…国民の間に蔓延している「衰亡についての実存的な不安」を考慮しない各政党の責任だ。


そしてエリク・ゼムールは、彼の流儀でこうまとめる。「彼(ジャン=リュック・メランション)は地球を救いたい、私は単純にフランスを救いたいのだ。」もう1人のポピュリストドナルド・トランプの言葉を思い出さずにはおかない言葉であり、2017年に彼は、私が大統領となったのは「ピッツバーグの住民たちの代弁をするためであり、パリではない」と弁明している。

(Le HuffPostサイト 2021年9月24日)